とにかく壊れないWindows“タフ”タブレット「TOUGHPAD FZ-G1」


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 パナソニックは、20年にわたり、「TOUGHBOOK」シリーズと「TOUGHPAD」シリーズで頑丈なノートPCとタブレットのトップメーカーであり続けている。「TOUGHPAD FZ-G1」は、そんな同社の最強のWindowsタブレットだ。TOUGHPAD FZ-G1は2013年にリリースしており、製品としては新しくないが、新モデルでは内蔵コンポーネントを更新している。

【過剰に思えるほど頑丈な作りの端子の画像】

●構造とデザイン

 実力を証明できるなら、どんなに大口をたたいてもそれは大言壮語とはならない。TOUGHPAD FZ-G1は、「頑丈」と称するに値する耐久性をしっかりと備えている。IP65とMIL-STD-810Gの両方に準拠しているからだ。IPコードは国際的に認知されている規格で、固体と液体の両方からデバイスを保護する性能を等級で示している。MIL-STD-810Gは、米軍の広範な耐久性標準とテスト標準の最新版だ。これは800ページ以上もある膨大な文書で、4フィート(約120センチ)の高さからの落下、衝撃、振動、雨、ほこり、砂、高所、凍結/霜、高温/低温、温度変化、湿気、爆発性雰囲気など、軍の備品の採用に当たって求められる多数の環境耐久性テストが列挙されている。

 それでも頑丈なタブレットとしての信頼性が十分でない場合、オプションとしてClass I Division 2、グループABCD認証を取得したモデルがある。これは、危険なガスが存在する環境で使用しても、内蔵電子機器によって爆発しないことを示す認証規格である。

 また、ささいな点だが、TOUGHPAD FZ-G1背面にはネジが使われており、いずれも普通のフィリップスねじ(プラスねじ)だというのは、ターゲット市場のニーズを満たす相当な配慮がなされているといえよう。筐体を開けたり、不具合のある部品を交換したりするために、希少なトルクス(六角形)ドライバーを現場技術者が探し回る必要はない。

 TOUGHPAD FZ-G1の正面には、ディスプレイの下部に7つの薄膜ボタンと3つのインジケーターライトがある。左から順に説明していこう。左の2つは、ユーザー定義可能なボタンで、アプリケーション固有のホットキーとしてプログラムできる。A1ボタンは、出荷時はパナソニックの設定ダッシュボードを開くようにプログラムされている。A2ボタンは、既定でWindowsのスクリーンキーボードか手書き認識ウィンドウを開くように設定されている。その右側には順に、音量調節ボタン(消音ボタンはなし)、Windowsホームボタン、画面の自動回転機能のオン/オフ切り替えボタンが並ぶ。その隣には、3つのインジケーターライト(バッテリー、HDD、電源)があり、右端に電源ボタンがある。

●ディスプレイ

 TOUGHPAD FZ-G1は、実効解像度1920×1200ピクセルの10.1型LEDバックライトIPS HDディスプレイを備える。静電容量式タッチスクリーンは、10点マルチタッチ機能をサポートしている。また、右クリック機能ボタンを備えたデジタイザペンも用意されている。

 デジタイザペンをテストしたところ、非常に感度が良く、ディスプレイから約1センチ離れていても、画面に反応した点が表示された。なお、ペンの精度は、ペンをディスプレイに向ける角度によって異なるようだった。

 デジタイザペンは背面左側にあるくぼみに収納するようになっているのだが、これがちょっと厄介だ。収納場所が左側なので、大部分を占める右利きのユーザーがペンを取り出すには、うまいことデバイスを持ち替えなくてはならない。また、ぐるぐる巻きになったストラップは、視界いっぱいに腕を伸ばしてほどく必要がある。とはいえ、左利きには関係なく、右利きにとってもタブレットを裏返せばよいだけなので、それほど大きな問題点ではないだろう。

 新しいTOUGHPAD FZ-G1の非常にすばらしい新機能の1つは、手袋をしたままでもディスプレイ操作が可能なことだ。そのためには、パナソニックダッシュボードでタブレットを「手袋モード」に設定する必要がある。初期設定では、このダッシュボードを正面パネルのA1ボタンから起動できる。A1ボタンに別の機能を割り当てる必要がある場合は、通常のスタートメニューから起動できる。

 手袋モードに設定したタッチパネルに対して、幾つかの種類の手袋を装着してテストしたところ、うまく認識される手袋と認識されない手袋があることが分かった。タッチパネルの反応が最も良かったのは、Mechanix WearやFirm Gripなどの、素材にメッシュやスパンデックスを使った、手に密着する最近の作業手袋だ。従来の分厚く、だぶついた作業手袋だと、操作が非常に難しく、意識して何度も試みないと操作がうまく認識されなかった。絶縁された総革の作業手袋では、どうやっても何も認識されなかった。

●スピーカー

 TOUGHPAD FZ-G1のスピーカーは背面に1つある。十分な音量が出るため、カスタムアプリのボタンをクリックしたときの確認音も聞こえる。音楽鑑賞の観点からは、ヘッドフォンとBluetoothに対応していてよかった、とだけ言っておこう。スピーカーは、防塵、防水で頑丈なことを第一に設計されており、その性能は推して知るべしだ。

●端子と入力

 TOUGHPAD FZ-G1に搭載の「従来の」端子としては、USB 3.0端子、HDMI出力端子、ヘッドフォン出力/マイク入力兼用3/5ミリジャックがそれぞれ1つある。この3つの端子はいずれも、右側面下部のへこんだ部分にまとめて配置されている。非常に頑丈な端子カバーで覆われており、端子を利用するにはカバーをスライドして開く必要がある。端子カバーの下にあるのは独立気泡フォームだ。端子は1枚の黒いすべすべしたプラスチックで囲まれている。カバーを閉じるとこの2つの素材が密着して、防塵、防水となる。

 DC電源端子は左下のコーナーガードに組み込まれている。電源端子にも、ヒンジ式のカバーと、DC電源端子の穴に挿入して密閉する縁が二重になったゴム製のハトメがある。DC電源カバーとHDMI/USB/オーディオ端子カバーは、ユーザーが入手しやすいネジで取り付けられている。そのため、カバーが破損、摩耗しても、取り換えは簡単だ。

 HDMI端子やヘッドフォンジャックへの接続、USB端子と標準的なUSBケーブルの接続に問題はなかった。ただし、USB端子でメモリスティックを使用したところ、非常に窮屈だった。大きくて頑丈なUSBスティックを使おうとしたら、厚みがありすぎて端子に差し込めない可能性が高い。

 上部の背面カメラの隣には、モジュール式の拡張端子がある。ここには、幾つかのオプションから1つを取り付けることができる。テストに使用したデバイスは、ここにスペーサーが組み込まれていた。なお、利用可能なオプションには、旧式の9ピンシリアル端子、専用GPS、USB端子、microSDスロット、イーサネットジャック、バーコードリーダーがある。下部にはクレードルのコネクタと、ブロードバンドワイヤレス接続を利用できない車両などの環境で使用するための高利得デュアルアンテナの接続が用意されている。

 徹底したカスタム構成に対応するために、背面パネルにはモジュール拡張区画が用意されており、業界特有のモジュールを装着できるようになっている。これには、ブリッジバッテリー、磁気ストライプリーダー(クレジットカードを通して読み取る)、スマートカードリーダー(クレジットカードスマートチップ)、非接触スマートカードリーダー(Appleの「Apple Pay」などのRFID支払いシステム)、UHF RFIDリーダー(在庫管理目的で使用されることが一般的)などが含まれる。

●カメラ

 セキュリティと機密保持が必須の職業からは、TOUGHPAD FZ-G1の正面カメラと背面カメラを完全非搭載にする注文が可能だ。うわさでは、ある政府IT機関は過去にカメラにドリルで穴を開けていたらしいが、そんな必要はこれでなくなる。

 ラングレー空軍基地(※)に配属されているのでなければ、背面パネルに搭載のLEDフラッシュ付き800万画素カメラはなかなか使えると評価できるだろう。例えば、保険業界勤務で、現場で損害賠償の記録を取るには適したタブレットだといえる。撮れる写真は、いかにもタブレットのカメラといった感じだ。だが、露出不足に写る傾向がある。正面カメラは旧式の720p解像度のものなので、Microsoftの「Skype」やCitrixの「GoToMeeting」で通話するときにきれいな画像で相手に印象付けようとは考えないことだ。

※注:ラングレー空軍基地には、かつて写真技術の学校があった。

●パフォーマンス

 TOUGHPAD FZ-G1は各種ベンチマークテストで優れたスコアを達成した。Futuremarkのベンチマークツールの「PCMark8 Home」テストのスコアは2905、「PCMark8 Work」のスコアは3854だ。これは非常に優れた結果であり、Intelの新しい第6世代「Core i5」モバイルプロセッサと同等のGPUを実行するモバイルデバイスに迫るスコアである。グラフィックに関しては、標準的なIntelのオンボードGPUが使われており、アップグレードするオプションはないため、ここでも法人専用デバイスらしさが見られる。このような難点があるにもかかわらず、Futuremarkの「3DMark」テストでは1072という立派なスコアを達成した。これらのスコアに、内蔵の東芝の256GB SSD(SCSI)が一役買っているのは間違いない。メカニカルなHDDがボトルネックとなり、デバイスのベンチマークスコアを引き下げてしまっていることがよくあるからだ。

 TOUGHPAD FZ-G1を一般的な条件で実行した場合のパフォーマンスを評価することは難しい。というのも、このタブレットに想定されている使用環境と用途が普通とは程遠いものだからだ。TOUGHPAD FZ-G1を導入したら、特別にあつらえられたアプリを1つ起動して、1日中実行し続ける、という場合がほとんどだろう。TechTargetチームには、貨物運送会社のUPSでアルバイトしていたり、国家警備隊(米国の軍事組織の1つ)に所属しているメンバーはいなかったので、ひたすらゲームをしてテストするしかなかった。テストに利用したゲームは、既にブームは過ぎていたが、「Candy Crush」だ。このゲームは、ユーザーが1日中操作する特注アプリの一般的な要素とスワイプ動作をエミュレートする。

 また、GPUをテストするために、TechTargetお気に入りの無料の高解像度レーシングゲームであるGameloftの「アスファルト8:Airborne」をダウンロードし、ネバダと中国のレーシングコースを何度か周回した。画面の自動回転機能を無効にすると、遅延が生じることなくコースを回り終えることができた。グラフィックはオーディオやユーザー操作とずれることはなく、特に問題は見られなかった。

●ベンチマーク

 ベンチマークツール「wPrime」によるプロセッサの比較。スコアが低いほどパフォーマンスが高い(単位:秒)。

 「PCMark8 Home」(Accelerated)によるWindows 8の一般的な作業(Webサーフィン、動画のストリーミング、ドキュメントの作成、ゲームのプレイなど)に関する全体的なシステムの総合スコア。スコアが高いほどパフォーマンスが高い。

 「PCMark8 Work」(Accelerated)によるWindows 8で業務関連処理を実行したときの総合スコア。スコアが高いほどパフォーマンスが高い。

 「3DMark 11」によるゲームにおけるグラフィックスカードの総合スコア。スコアが高いほどパフォーマンスが高い。

 「CrystalDiskMark」によるストレージドライブのパフォーマンススコア

●バッテリー駆動時間

 TOUGHPAD FZ-G1には利用可能なバッテリーが2種類ある。1つは標準のバッテリーで、容量は4400mAhだ。最長駆動時間は13時間だという。駆動時間拡張バッテリーは容量が9300mAhで、公称駆動時間は倍の26時間だ。ディスプレイの明るさを最大にし、さまざまなアプリをインストールして起動、実行して実際に試したところ、公称最長駆動時間の半分である6.5時間の時点で、バッテリーの残量が5%となった。

 6.5時間というのは公称の13時間とは大きく異なるが、現場で使用するには十分な時間だ。13時間が現実的な目標時間の場合は、拡張バッテリーパックを装備するのが確実だろう。また、オプションでブリッジバッテリーを付けることも可能だ。これを利用すると、タブレットをシャットダウンや休止しなくてもホットスワップできるよう、約1分間電源が供給される。

●発熱とノイズ

 TOUGHPAD FZ-G1は、極度の低温/高温の条件下における、軍用規格テストに合格している。TOUGHPADシリーズの実績からして、内部で発生したエネルギーによりデバイスが過熱する可能性はまずないだろう。

 冷却ファンはノイズの発生源となっており、ほぼ絶え間なく稼働している。デバイスの裏面、特にその右側はCPUとマザーボードがあるために熱が発生する。

●Windowsについて

 既に述べたように、TOUGHPAD FZ-G1はほとんどの時間を専用のアプリの実行に費やす可能性が高い。そのアプリは大抵、非常にレガシーで、信頼性に疑問があることも多い。そのため、アプリを用意するITスタッフはOSが原因のトラブルには対応したくないと考えていることだろう。このような要望があることから、テストに使ったデバイスには、「Windows 7」のメインストリームサポートは1年以上前に終了しているにもかかわらず、オプションでWindows 7へのダウングレード権と「Windows 8.1 COA」が付属していた。

 TOUGHPAD FZ-G1をWindows 7で使用したところ、Windows 7がタッチベースの入力に全くの不向きであることをあらためて思い知り、すぐにイライラする結果となった。Appleの「iOS」、Googleの「Android」、Microsoftの「Windows 8」「Windows 10」ベースのデバイスの使いやすさに比べると、Windows 7のタッチ対応機能は不十分で、使いにくく、厄介としか言いようがない。

 このような使いにくさを感じて、普通のユーザーよりは意欲的に、Windows 10への自動アップグレードを促すポップアップをクリックした。そして、アップグレードする価値を感じることとなった。TOUGHPAD FZ-G1とWindows 10の組み合わせは、Windows 10をタブレットモードにすると特にシンプルで使いやすかった。そのため、耐久性が必要でTOUGHPADを購入するが、通常のPCと同じように使用するのが目的の場合、すぐにWindows 10にアップグレードすることを強くお勧めする。

●接続性

 TOUGHPAD FZ-G1の新モデルは、内蔵チップが更新された。これまでとは異なるIntelの「Dual Band AC7265」チップセットを搭載し、新しい802.11ac規格もサポートするようになっている。残念ながら、SIMチップについてはテストに使用したデバイスに搭載されていなかったので、4G/LTE機能も利用可能だと言うにとどめる。Bluetoothは、v4.0+EDRから変わりない。BluetoothでKinesisのキーボード、Boseのヘッドフォン、Dellのマウスを同時に接続してみたところ、特に問題は発生しなかった。

●クレードル

 TOUGHPAD FZ-G1にはデスクトップクレードル(モデル番号:FZ-VEBG11)が用意されている。その品質と構造は、タブレット本体に負けずとも劣らない。タブレットの着脱に、ボタンやレバー操作、スライド操作は必要ない。クレードルに載せて、2つの丈夫な停止点に触れるまで押し込むと、加圧ホイールが付いたクレードル上部アームがタブレット上部をしっかりと固定する。タブレット背面とクレードルの間には空間がたっぷり確保されており、大きな拡張モジュールを装着していても恐らくは利用できるものと思われる。

 クレードルの背面には専用のイーサネット端子、2つのUSB 3.0端子、HDMI端子、VGA端子、標準的な9ピンシリアル端子、DC電源ジャックがある。テスト中、何十回もタブレットの着脱を繰り返したが、Windows 10へのアップグレード中であっても、OSに不具合が生じることはなかった。HDMI/USB/オーディオジャックのカバーは、クレードル装着中も開くことができる。デジタイザペンもクレードルに邪魔されることなく使用可能だ。唯一不満な点は、クレードルに専用のオーディオジャックがないことだろう。ドライバリストにはDisplayPort Audioドライバが表示されていたので、オーディオ信号を伝送するようにHDMI端子を設定できる可能性が高い。

●価格

 TOUGHPAD FZ-G1は2295ドル(日本では20万900円、税別)から用意されている。構成によっては、3000ドル(約32万円)を超える場合もある。カスタマイズ性と耐久性は安くは手に入らない。だから、事実上“破壊できないタブレット”の価値は、このような設計の有用性に価値を見いだす人がどれだけいるかによって異なる。

 頑丈なタブレットの有用性は、パナソニックのWebサイトに掲載されたホワイトペーパーに網羅的に詳しく書かれているが、要約するとしたら次の2点になる。複数の普通のタブレットの使用/入れ替えにかかる実際のコストと、ダウンタイムに関連する隠れたコストだ。平均的な警察官、捜索/救難チーム、戦闘配置についた軍人の目線からこの要素について考えて欲しい。すると、これらの職業でTOUGHPADやTOUGHBOOKが重宝されている理由がはっきりするだろう。

●結論

 TOUGHPAD FZ-G1は、優れた耐久性を持ちながら、パフォーマンスにも妥協していないすばらしいタブレットだ。構成部品がパワーアップした新モデルでは特に、その長所に磨きがかかっている。パフォーマンスの点ではMicrosoftやDellの最新タブレットに追随しており、耐久性の点では匹敵するデバイスは存在しない。値段は多少張るが、最終的には初期費用を埋め合わせて余りあるほど長く使うことができる。

●長所

・非常に頑丈な構造
・豊富な構成オプション
・1日使用できるバッテリー
・高いパフォーマンス性能
・手袋対応のタッチスクリーン(一部の手袋への反応がすばらしい)

●短所

・初期コストが高い
・一部のUSBスティックが適合しない
・オーディオ性能
・手袋対応のタッチスクリーン(一部の手袋にうまく反応しない)

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